163人が本棚に入れています
本棚に追加
蓮は目を丸くしたまま、方針状態で私を見ている。
「蓮?」
と聞くと、はぁ…とため息をつきながらその場にしゃがみ、片手で頭を抱えた。
「蓮?」
蓮がしゃがんだから私もその場にしゃがむ。
顔を隠しているから、どんな表情なのかは分からないけど、見えてる耳が真っ赤だから顔も赤いことを予測する。
「お前、ほんと…ズルい」
「ズルい?」
「おう」
そう言って顔を上げ、私の髪の毛をサラサラと触った蓮は優しく微笑んだ。
…何がズルいのか、全く分からないけど、蓮のこの笑顔が見られるなら、私はズルくてもなんでもいいと心から思った。
最初のコメントを投稿しよう!