隣にいたい。

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蓮は目を丸くしたまま、方針状態で私を見ている。 「蓮?」 と聞くと、はぁ…とため息をつきながらその場にしゃがみ、片手で頭を抱えた。 「蓮?」 蓮がしゃがんだから私もその場にしゃがむ。 顔を隠しているから、どんな表情なのかは分からないけど、見えてる耳が真っ赤だから顔も赤いことを予測する。 「お前、ほんと…ズルい」 「ズルい?」 「おう」 そう言って顔を上げ、私の髪の毛をサラサラと触った蓮は優しく微笑んだ。 …何がズルいのか、全く分からないけど、蓮のこの笑顔が見られるなら、私はズルくてもなんでもいいと心から思った。
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