第0章_逃げるあて

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しかしまだ安心できない。 鍵がかかっていたら、逃げるも何もない。 ドアノブをひねると………開いた。 案外あっさり開いたので、少しびびった… 絵の具の匂いと、ペンキの匂いが混ざり合った匂いが充満していた。 内側からドアに鍵をかけた。 準備室は隣の、『第二美術室』からも入れるため、そっちの鍵もかけた。 呼吸を整えるために、モデルがすわる椅子に座った。 その椅子に向かい合うように、花が描かれたキャンバスがあった。 こんなときにみると、心が落ち着く。
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