クドゥア・ホーリィナイ×加賀美魁×呂辺須聖前

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「……」 ――気まずい。 会話が続かない。 そりゃあそうである。 魁は火を嫌う。 クドゥアは水を嫌う。 この二人の相思相愛、ならぬ相思相嫌である。 「……」 沈黙が、空間を支配した。 名前を言うだけの簡単な自己紹介をしただけで。 「……」 互いの呼吸音しか聞こえない、その空間に。 「……」 気まずい空気と、沈黙と。 「……」 ――psychological ――water『水、自由型』 ――and ――fire『火、自由型』 誰かの呟きが聞こえた。 瞬間。 水と、火が。 何もない空間から。 出て来た。 「は?」 「な……」 クドゥアは疑問符を頭に浮かべ。 魁は、どんな組み合わせだと思い。 そして突如出現した水と火はそれぞれその文字の形をし。 螺旋状に組み合わさり、上へと立ち上って。 「綺麗でしょう?」 呂辺須が突如口を開いた。 「相性の悪い性質をもつものでも、組み合わせれば綺麗になる。美しくなる」 この水と火を出したのは彼女なのだろう。 ――待て。 ――此処って、魔術禁止なんじゃないのか。 ――ルールがよくわからない。
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