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大崎君は、また黙ってしまっている
「あっ…あのっ…あたし…」
ピンポーン
玄関チャイムが鳴った
こんな時間に、誰だろう?
『‥‥どうした?』
「誰か、来たみたい」
『こんな時間にか?』
玄関の覗き窓を見てみると、グラウンドコートを着込んだ戸田さんが立っていた
「戸田さんだ!ちょっと待っててね、掛け直すから!」
『えっ‥!おいっ‥‥』
一旦電話を切りながら、ドアを開ける
戸田さんは、コンビニの袋をまた持っていた
玄関の中に招き入れると
驚いているあたしを見て、ちょっと照れたような顔をした
「具合はどうかと思って、何度か電話したんだけど‥‥」
「…ずっと、通話中…でした…」
「うん、元気になって通話中ならいいんだけど、部屋で倒れてるんじゃないかと思ったら……じっとしてられなくって……」
あたしったら‥‥
本当に、申し訳ない事をしてしまった…
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