29/45

57人が本棚に入れています
本棚に追加
/231ページ
大崎君は、また黙ってしまっている 「あっ…あのっ…あたし…」 ピンポーン 玄関チャイムが鳴った こんな時間に、誰だろう? 『‥‥どうした?』 「誰か、来たみたい」 『こんな時間にか?』 玄関の覗き窓を見てみると、グラウンドコートを着込んだ戸田さんが立っていた 「戸田さんだ!ちょっと待っててね、掛け直すから!」 『えっ‥!おいっ‥‥』 一旦電話を切りながら、ドアを開ける 戸田さんは、コンビニの袋をまた持っていた 玄関の中に招き入れると 驚いているあたしを見て、ちょっと照れたような顔をした 「具合はどうかと思って、何度か電話したんだけど‥‥」 「…ずっと、通話中…でした…」 「うん、元気になって通話中ならいいんだけど、部屋で倒れてるんじゃないかと思ったら……じっとしてられなくって……」 あたしったら‥‥ 本当に、申し訳ない事をしてしまった…
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加