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「前は、なんか身構えているっていうか、距離を置こうとしてなかった?あたし以外に」
「‥‥‥してたかも、です」
人と接するのが、怖くなっていた
だから、なるべく目を合わせないようにしていた
「でも最近は、ちゃんと笑顔になれてる、と思うよ。みんなと、目を合わせて話をしてる。……みんな、それが嬉しいって。やっと、見てもらえたって、顔をあげてくれたって、大騒ぎなんだよ」
「‥‥そう、なんですか?」
「自分で気づいてなかった?だから、あたしは恋でもしたのかなぁと思ったんだけど。」
いい顔してるよぉ
なんて言いながら
松木さんはデスクに戻っていき
あたしは、改めて営業のみんなを眺めてみた
あたし、下ばかり見ていた
書類の文字や数字ばかり見ていて
書類の奥にある営業さんの気持ちとか思いとか
そういうのを、見てきていなかった‥‥
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