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「もし‥‥あったら?」
加藤さんの目は、もう、笑ってはいなかった
さっきまでの、ふざけた感じもなく
真剣な顔で、でも、瞳だけは優しく‥‥
「あったら‥‥加藤さんの乗り越え方を聞かせて欲しくて」
加藤さんは、何度か頷くと
松木さんのデスクに視線を落とした
「まぁ、女性からモテるっていうのは自覚がないから、よくわからないんだけど‥‥」
う~ん‥‥と腕組みをして
「営業をしてると、妬みやヒガミや足の引っ張り合いとか、沢山あるよね」
‥‥‥あるんだ、仕事の中でも
「あ、第三営業部ではないよ?」
慌てて付け足した加藤さんの目は優しく微笑んでいる
‥‥良かった
ここで、そういう事があるならば
悲しくなってしまう
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