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「いい雰囲気が台無し~、慎也、邪魔~」 「‥‥‥泣かせてんじゃねーだろーな」 「お前が来なかったら、俺の胸で泣かせてたかも」 「てめっ‥‥」 「きゃあ、やめてぇ!これからデートなんだからよぉ」 ポカン‥‥ ただ黙って‥‥もしかしたら口を開けて‥‥二人のやりとりを見ているあたしに 加藤さんが耳打ちをした 「度のない眼鏡は視力を落とすよ」 ドキッとして加藤さんを見ると 小さくウィンクをして 鞄を手に取り 「お疲れ~」 ‥‥帰ってしまった そして、大崎君と二人きり 大崎君は、ボードを消しながらブツブツ言っている 「七時に戻るって言ったら書き直しておけっつーのっ」 帰ってくる予定だったの? 加藤さんは、あたしを一人にしないように 残ってくれていた‥‥?
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