57人が本棚に入れています
本棚に追加
時計を見ると、もう時刻は12:30を過ぎている
「‥‥お腹すいた?‥‥引っ張り回して、ごめんね」
買い物をした紙袋をあたしの手から取り、持ってくれる
「店、もう混んでるぜ?お前が大丈夫なら、もう少し歩いてから飯にしないか?」
「お腹、大丈夫?」
「すいたけど、今から店に行ってもどこも並ぶだろ?」
………確かに並んでいる時間も惜しい
「次はどこに行きたいんだ?‥‥どっち?」
今なら空いていてゆっくり見れそうなのは……
「……服!あっち!」
あたしが指差した方向に数歩進んで振り返り
大崎君は、紙袋を持っていない左手を
あたしに差し出した
「ほら、行くぞ」
あたしの右手は
すぐに反応し、大崎君の左手に繋がる
大崎君の手とあたしの手が
同じ温度になるのを感じながら
あたしの胸は
このままどこかにいってしまうのではないかと思うくらいに、弾んでいた
最初のコメントを投稿しよう!