恋はやさしく

４

もしかして…

…いや、まさか

そんな素振り見たことないし

でも、ひょっとして…

「…付き合ってるんですか？」

時間が止まったのかと思うくらいに

動きも、表情も固まる二人…

「あ～あ、やっちゃった」

加藤さんが笑いながら、項垂れる松木さんの頭をなでなでする

「‥‥佐久間さんだから油断しちゃった‥‥」

あたしだから…って

あたし、そんなに鈍いですか？

「周りに気付かれないようにって、結構大変でね…」

「バレても俺は気にしないんだけどね…」

「加藤君、人気あるんだからバレたら怖いって！」

「……そう言うもんでね、うちのハニーが」

照れたように顔を赤らめて加藤さんを睨む松木さんは
落ち着いていてしっかりしているいつもの松木さんではなく

一人の可愛らしい女性になっていて

加藤さんが松木さんを見る瞳も

少し潤んで、本当に愛しい人を見つめる瞳になっていて

…あたしまで照れてしまう