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そして、あたしは自覚した ………好きなんだ あたしは、大崎君が好きなんだ 「腹一杯食ったか?」 食べ放題の制限時間が来て店を出る時も 板前さんやレジの人に『ごちそうさま』を言っている時も 自覚してしまったあたしの胸はトクントクン煩くて 「送っていく」 並んで歩きながら、あたしは深呼吸をした そんなあたしを見た大崎君があたしの顔を覗きこんで おでこに手を当てる 「なんか、千草、さっきから変、また熱出してないか?」 触れられたおでこに意識が一点集中してしまう 「……出てないっ…と思うけどっ」 「うん、熱はないな。でも顔は真っ赤だぞ」 大崎君が触るからっ …とは言えなくて、なんて言えばいいかも分からなくて 「眉間にシワが寄ってる。不細工だな、それ」 「……んもー!許さんっ」 人の気も知らないでっ! 大笑いしている大崎君に膝カックンしてやった
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