恋はやさしく

５

誰かに聞いてみたかった

あの頃を知っている、誰かに

「あたしは、なんでみんなから疎まれたんだろう？」

見た目がちょっと華やかってだけで…

あたしに問題があったのかな？

その問題にあたしが気が付けていなかったならば

あたしは、同じ事でまた…

『あれはね…仕方がなかったんだよ』

尚子が、静かに話す

『ほんっとうに千草は可愛いもん。そして、誰とでも仲良く出来て、嫌味がなかった…だから、千草は下心で近付く男連中の下心にも気がつかなかったんだろうし…』

…下心で近付く男連中？

『下心丸出しの男連中も純な千草に手を出せなかったんだと思うんだよね～……ま、ある意味天然だよね』

………全然、わからなかった

『だからさ、女子の中には好きな人が千草に気があるとか、いたわけだ』

……理央と同じパターン…とて事だ

「ひがみや、やっかみって事？」

『ま、そーゆー事だわな』

「尚子や一香は？なんであたしと？」

『あたしら、千草を好きだったからさ』

まったくもう…と尚子は笑った