57人が本棚に入れています
本棚に追加
/231ページ
ドキッとしながら、この人が今あたしを呼んだのだろうか、と考えていると
彼はあたしの近くまで少し照れたような笑顔で歩いてきた
「すみません、子供達が『千草さん』と呼んでいるのが聞こえたので」
「は、はい」
家族ではない男性に名前で呼ばれるのは何年かぶりで
あたしも照れてしまう
「先日は子供達のケアをありがとうございます」
「えっ?いえ、何もしていませんから・・・」
あれ?中学校の先生がいまどうしているのかなぁ?
と思っていると、それを感じてくれたのか
「俺、オフでは少年野球チームのコーチをしているんです」
「ああ、そうなんですか」
「この間のハンカチ、お返ししなきゃと思うんですが、生憎、いま持っていなくて」
この間のって鼻血の時のかな?
「それなら、気にしなくて・・・」「これから、また会えませんか?」
「こ・・れから?」
「俺の今日の予定、今終わりましたから帰ってシャワー浴びたら、改めて待ち合わせ出来ませんか?」
最初のコメントを投稿しよう!