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ドキッとしながら、この人が今あたしを呼んだのだろうか、と考えていると 彼はあたしの近くまで少し照れたような笑顔で歩いてきた 「すみません、子供達が『千草さん』と呼んでいるのが聞こえたので」 「は、はい」 家族ではない男性に名前で呼ばれるのは何年かぶりで あたしも照れてしまう 「先日は子供達のケアをありがとうございます」 「えっ?いえ、何もしていませんから・・・」 あれ?中学校の先生がいまどうしているのかなぁ? と思っていると、それを感じてくれたのか 「俺、オフでは少年野球チームのコーチをしているんです」 「ああ、そうなんですか」 「この間のハンカチ、お返ししなきゃと思うんですが、生憎、いま持っていなくて」 この間のって鼻血の時のかな? 「それなら、気にしなくて・・・」「これから、また会えませんか?」 「こ・・れから?」 「俺の今日の予定、今終わりましたから帰ってシャワー浴びたら、改めて待ち合わせ出来ませんか?」
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