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「でも…、言わなきゃって思ったんですよね?電話とかじゃなく、明日じゃなく。今、言わなきゃって」 戸田さんをしっかり見つめて あたしは、今の戸田さんの気持ちをわかるような気がする 「なら、あたしは、今、聞かなきゃって……」 「千草…」 「あたしも、同じだったから…」 大崎君が何かを言いかけて、あたしは、大崎君の唇を指先で塞ぎ、言葉を続ける 「戸田さん…今日は失礼ばかりで…すみませんでした」 ペコリと頭をさげる 「あたしも、今、ここにいる…大崎君に、あたしの気持ちを伝えようとしていました」 あたしを見ていた戸田さんの目が、大崎君に移る 「戸田さんを素敵だな、と思っていたのは事実です」 大崎君が瞳を伏せる 「そういう事も、あたしが、いろんな事に悩んで恋とか人間関係とか向き合えないでいたのも大崎君は知っていて…」
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