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戸田さんを、まっすぐ見て…
「あたしを心配してくれているので、彼がいていいなら、あたし、ここで戸田さんの気持ちを聞きたいと思います」
大崎君は諦めたように、頷くと
「話しにくいだろうから、少し離れて待ってる」
と、あたし達から離れてアパートの階段に座った
戸田さんは、大崎君が離れたのを確認すると
あたしに向き直る
「彼に気持ちを伝えると、言ったね…」
「…はい…」
「…好き…なの?」
「…はい…」
「…そうか…」
戸田さんは、小さく息をついた
「…誰かに取られる前に…しっかりと自分のものにしたいと…思った…」
理央との会話を思い出す
「羽沢さんと話して、大崎と名が出た時に、何故だか、野球を見に来ていたアイツの事だとピンと来たよ」
あの日…やっぱり戸田さんは、あたしたちを見ていたんだ…
あの頃から、戸田さんは…
あたしを…?
「…好きだったんだ…、こんな時間に来て困らせるつもりなんて、なかったんだけど…どうしようもなく…」
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