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「こんなあたしを好きになってくれてありがとうございます。あたしも、彼に精一杯、気持ちをぶつけてみます…」 「……」 黙って俯いている戸田さんに頭をさげて 大崎君の元に戻り、二人で部屋に入る 玄関を閉める時に見えた戸田さんは、まだ俯いたまま、そこにいた… どうか、戸田さんの心を満たす出会いがありますように… 「……話は全部終わったのか?」 「あたしの話は終わりました」 大崎君は、靴を脱いで部屋に入ろうとはしない この間の言葉が頭をよぎる 『彼氏じゃないから…部屋には入らない…』 終電は終わっている… 「タクシー、呼ぶから平気」 帰っちゃうんだ…… ……帰っちゃうよね 「あ、やっぱり30分くらい、ここにいてもいい?」 30分くらい? 「アイツ、目が血走っていたし…俺がすぐに帰ったら、また来るかもしれないし…」
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