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大崎君の背中が‥‥何かを言った
‥ように‥、見えた
「‥‥え？‥‥」
「俺…千草が…好きなんだ」
振り返った大崎君に腕を掴まれ引き寄せられる
「戸田を好きだって言うなら、仕方がないと思っていた…今の関係を壊すくらいなら…見守ろうと思っていた…」
大崎君の腕の中で、大崎君の声を聞きながら
これは……夢なんじゃないだろうか
と耳を何度も疑ってしまう
「でも、ダメなんだよ…俺には千草が必要で…今千草を失ったら…俺が俺じゃいられなくなる…」
伝えたい気持ちが…
あたしの大崎君に伝えたい気持ちが…
「戸田になんか渡せないって、今日やっと自覚した…お前を…千草を…誰にも渡したくない」
大崎君が大きな両手で
あたしの両頬を包み込む
コーヒーで暖めたはずの、冷たい手…
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