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「…俺、金曜日はデートだから無理だわ、わりぃね」 松木さんと話していたら大崎君の声だけが聞こえてきた 「ぐふっ…」 松木さんが目を輝かせて笑いを堪えている 恐る恐る、あたしも小畑さんを見てみると… 真っ赤な顔をして必死に食い下がっていた 「それって彼女がいるって事ですか?」 「ん~、だとしたら?」 「……」 「江川も飲み会は行かないと思うよ、あいつも彼女いるからね」 「………!」 「書類、ありがとな」 能面のような顔で立ち尽くす小畑さんを置いて あたしの所に歩いてくる大崎君に あたしは必死でアイコンタクトをする 『来るな~、今は来るなっ!』 しかし、ちょっと甘くなった顔で大崎君はあたしのデスクに到着してしまう 「足、大丈夫か?」 …女はね、怖いのよ 好きな男の、微妙な表情の変化も見抜いてしまう …………ほらね 振り向いて、小畑さんは あたしを、睨み付けている…
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