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うちの最寄り駅の駅前にあるショッピングセンターで鍋の材料とお酒を買い込み
小学校の校庭近く迄歩いて来ると、カキーンという金属製バットの小気味いい音が聞こえてくる
「もしかして、いる?例の人」
いる、かも?
理央と顔を見合わせながら校庭前で足を止め
ちょっと探してみたりして
こういうの、あたし一人じゃ出来ない気がする
「ねぇねぇ?いる?」
ん~、探しているんだけど
・・・少年しかいない?
「千草さん、買い物ですか?」
また背後からですか
慌てて振り返ると、数人の少年達とランニングから戻ってきたっぽい戸田さんが
息を弾ませながら、立っていた
「お前ら、戻って柔軟してろ」
「はいっ」
少年らは校庭に走っていく
「ピッチャーのランニングに行っていました」
「・・・そうなんですね」
探しているの見られていたかな
ちょっと、いや、かなり恥ずかしい
「・・・明日の予定は、大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です」
「良かった。断りに来たのかと心配になったよ」
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