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「自分でも、戸惑ってる。久々にときめいたりして」
理央の言うとおり、このドキドキや緊張は、相手が戸田さんだから・・・じゃなくて、異性だから、の可能性もあるんだ
そこには、本当に気がつかなかった
「大崎君には平気なんだけどね」
部屋の中が暑いくらいで、ビールが美味しい
「・・・・かわいそうに」
理央が、天を仰いで『アーメン、慎也』とかしているのを見ながら
今度はあたしが理央に雑炊を取り分けてあげる
会社に入ってから、理央と仲良くなったように
気が付いたら、いつも近くにいてくれる大崎君
そういえばあたしは理央や大崎君の事をなんにも知らないなぁ
「これから色々教えてね、もっと、二人と仲良くなりたいし」
「ん~?今まで、どんだけうちらに関心なかったのよ」
ハフハフしながら雑炊を食べる理央は呆れた顔をしていた
あたしのこころが
ほっこりしていた
それはきっと
美味しい鍋やビールのせいだけではなく
『友達』と呼べる人の存在を確認できた
安心感からくるものなんだろうと思えた
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