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「もしもし?」 3コールで出たから、始めにかける言葉の準備さえしていなかった 「あ、ども。佐久間千草です」 「・・・わかってるよ」 「出るの早いね、あたしから電話が来る予感がしたとか?」 「・・・・電話切るぞ?」 「あ、すみません、調子にのりました」 ちょっと仲良くなったつもりで、くだけすぎたかな 電話の向こうは、なんか機嫌が悪そう 「あの・・・」「デート、終わったのか?」 「あっ、そうなの、それで金曜日の夜に、あたし・・・」「最寄り駅どこだっけ?」 え?あたしの? 「車で迎えに行く、夕飯、行くぞ」 有無を言わせない感じの大崎君の勢いに負けてしまい 帰ってきたばかりのあたしは また出掛けることになった 最寄り駅に着くまで少し時間がありそうだったので 鏡を見て、身だしなみをチェックする 何をしたわけではないけれど理央がしてくれたまとめ髪は少し乱れていて 自分でキレイに直せそうにはなかった ほどいてみると、束ねていた部分がほんのりカールになっていて、いい感じに見える
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