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平気、だった
全く違和感なく、あたしでいられた
頷いたあたしを見て、大崎君は嬉しそうに笑った
そして左手をあたしの髪に伸ばして
あたしの顔に少しかかった髪をすくいながら
「じゃあ、次に会う時も、眼鏡はかけないでいられたらいいな」
優しい笑顔をくれた
あたしは、大崎君の手の大きさを頭で感じていた
大崎君の車が走り去るのを見送り、部屋に戻ってから
自分の顔がポーッと火照っているのを感じた
鏡を見るとチークのせいではなく、顔が赤らんでいる
車の中が暗くて良かった
こんな風に紅潮した顔を見られたら
きっと、呆れられてしまう
『見境ないな、お前』
なんて言われてしまいそう
トクン、トクン、トクン
心臓が、早いリズムを取っていた
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