4/45

57人が本棚に入れています
本棚に追加
/231ページ
「わかりました。すぐに向かいます」 使っていたパソコンの電源を落として、松木さんに課長から言われたことを伝えると あたしは、バッグと書類を持って下平商事に向かう 下平商事は電車で一本で行ける所にあり、駅からも割りと近い オフィスビルの三階にあった 受け付け前で呼吸を整えてから、失礼のないよう気を付けて、名前を名乗り大崎君を呼び出してもらう 「佐久間が来てくれたのか!」 打ち合わせ室と思われる場所から出てきた大崎君を見つけると なんとなく安心した 「お待たせしました、課長に頼まれた書類です・・・確認してくれますか?」 封筒から書類を出して目を通してもらう その目は、当たり前なんだけど すごく真剣で でも、あたしは、そんな大崎君を見たのは、初めてだった事に気がついた 彼が仕事をしている時はあたしも仕事をしているから 気が付かなくて当然かもしれないが 仕事中の大崎君って こんなに・・・格好良かったんだ・・・ チェックを終えた大崎君は、あたしにニッコリと微笑んだ 「完璧!すごく助かった、ありがとう」
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加