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電車はまだ帰りのラッシュにはなっていなく
座ることが出来た
体の力を抜くと、ガクッと倒れ込みそうになるから
寒気と倦怠感と戦いながら
駅に着くのをじっと待つ
高熱がありそう・・・帰っても熱を測るのだけは止めておこう
本当に高熱があったら、きっと気持ちが負けてしまう
明日も会社に行くんだ
今夜熱を下げて
明日も会社に行かなきゃ
・・・大崎君に、会えない
駅につき、ホームの階段を手すりに掴まりながらゆっくり降りる
改札を出て、外の風を頬に受けた
・・・冷たくて気持ちいい・・・
「千草さん?」
戸田さんの声が聞こえた
声の方向に顔だけ向こうとしたら
急に頭がクラッとして
「・・!千草さんっ!」
体の力が抜けてしまった
床に倒れこんでしまう
そう思った時
がっしりとした腕に支えられるのが分かった
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