図書室

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正直な反応に顔が綻ぶ。 神無月が苦学生だと知っていた。 臨時収入は嬉しいだろうと思う。 そんな自分を恥じてか、視線が下がって、遠慮がちに聞いてくる。 「なんか、迷惑じゃない?」 落ちた。 めちゃくちゃに心臓が動く。 「いや。」 きっぱりといいながら、純粋な喜びが身体を駆け巡るのを感じた。 そして、自分がどれだけ神無月を求めていたか改めて思い知る。 俺のものだ。 そうしてみせる。 神無月を見つめながら手を差し出す。 「よろしく。」 おずおずと軽く触れて来た手は温かかった。 みっともなく手が震える。 離れて行くのが怖くて、しっかりとその手を握った。 温かい手がびくっと跳ねる。 「ハル。」 無意識に言ってどきりとする。
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