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「…っしゃ!」
階段を降りる途中で握った拳を後ろに引いてガッツポーズをする。
その場で踊り出したい気持ちを堪えて、玄関でぶらついている秀吉達の処へ急ぐ。
しっかり神無月を捕まえておかなければ。
出来れば傷つけない様に。
優しく。
と同時に確信する。
どんなに傷をつけても、もう離すことなど出来ないだろう。
少しでも可能性があるなら、もしかして完全に嫌われても……
そう考えると自分が嫌になる。
俺は頭を降った。
可能性がある方に賭けるんだ。
まず、神無月を喜ばせよう。
携帯をもう一台手に入れるには、母さんか姉さんどっちが説得し易いだろう。
俺は秀吉達と合流しながら頭を巡らせた。
土御門春樹の懊悩ー完ー
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