懊悩

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「あれは趣味なんだろうな。」 自称情報通、内藤が俺の視線に気づいて言った。 趣味なんだろう。しかも、他のものには興味がないと来ている。 生徒会も風紀委員も委員会も。 クラブも同好会も。 「申し訳ありません。成績が下がると学校をやめないといけないので。」 生真面目な顔つきで頭を下げられると、皆引き下がってしまう。 そして世界を遮断するように、勉強という繭の向こうに消えてしまう。 その内側に高橋が立っているのが苛立たしくてしょうがない。 一年の二学期くらいに、奴が席替えでもないのに神無月の前の席に座り始めた時、どういうつもりなのか聞きにいかない様にするのに必死だった。 蕁麻姫の番犬とあだ名がついても、本人はどこ吹く風といった風情で神無月にじゃれ続けた。 迷惑そうだった神無月が、笑うようになったのはいつからだったか。羨ましさに頭がおかしくなりそうだった。
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