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やっぱり・・・
着いた場所は、この中にある、イタリアンレストラン。
「奈々、お昼ご飯、ここでいい?
ほか、よくわからないからさ。」
「はい…、じゃなくて、うん大丈夫だよ。」
「おっ、大分敬語じゃなくなったな。
じゃ、入ろうか。」
中に入り、席に着くと、定員さんがメニューを持ってきてくれた。
私は、迷いに迷い、野菜と魚介のトマトスパゲッティにした。
堂上さんはというと、茄子と牛肉のラグーソーススパゲッティにしていた。
「何にした?」
「えっと、野菜と魚介のトマトスパゲッティです。」
「また、敬語…
すみません、野菜と魚介のトマトスパゲッティと茄子と牛肉のラグーソーススパゲッティお願いします。
あと、食後に、リンゴのチーズケーキを2つお願いします。」
「以上で、よろしいでしょうか。」
「はい。」
「では、メニューを下げさせていただきます。」
注文はすべて、堂上さんがしてくれた。
しかし、今思うことは・・・
「なんで、デザートも注文してくれたんで・・してくれたの?」
「そんなの、俺が食べたいからに決まってるだろ。」
「でも、私の分まで…」
「いいの、俺はお前と一緒に食べたかったの。
好きなんだから、しょうがないだろ。」
今、私は、顔が赤くなってしまっているだろう。
最後の好きなんだからは、チーズケーキのことだろうと、必死に自分を落ち着かせる。
一瞬自分のことかと思った自分が、恥ずかしい。
そんな私の気持ちもつゆしらず、堂上さんが話しかけてきた。
「なあ、なんで今日のことOKしてくれたの?
大学であったとき、すんごい嫌そうだったじゃん。
だから、来てくれるとは思ってなくて…」
こんなに素直に言われるとは思ってなかった。
でも、答えは・・・
「ごめんなさい。
最初のメールを見たときは来る気はありませんでした。
でも、友達に乗せられちゃって、来た感じなんです。」
私の答えは、ひどいと思う。
でも、ここで本心は言っとかないといけないと思った。
「そっか、そうだよね。
それでも、来てくれて本当にうれしかった。」
料理が来た。
最悪のタイミングだ。
しばし、2人で料理を食べる。
どちらも話さない、気まずい空気が流れる。
しばらくして、堂上さんから、話しかけてきた。
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