第二章 感じた違和感

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「うむ、おそらくな。このまま雨が降り続けば水害による被害は間逃れぬ。民の生活と年貢への影響も懸念される。既に秩父にある神社では裏の山ががけ崩れを起こし本殿を破壊したと聞いておる。あそこは水の神が住むとされる龍神池があり本殿には八大龍王が祀られている。もしこの長雨と風魔、それに秩父のがけ崩れに闇鬼が関わっているとすれば何かしらの災いをもたらすかも知れん」 「その災いが起こる前に闇鬼を見つけ出し封じろと」 「そうだ。先日のような大川での鉄砲水が再び起これば氾濫もありうる。一度大川が氾濫すれば城下への被害は図り知れん。そうなる前になんとしても食い止めねばならぬ。必ず闇鬼を見つけ封じるのだ」 「御意」 話を終えると小見は吉宗の前から姿を消した。 吉宗はしばらくその場に止まりながら考えを巡らせていた。 (風魔・・・積年の恨みを晴らしに来たか)
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