第二章 感じた違和感

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「ふーん、そうかい。大変だねこんな雨だってのに。あっ、そうそう私はここで店をやってるんだけど、よかったらちょっと休んでいっておくれよ。この雨で客足もさっぱりでね。店の方もちょうど暇してたところなんだ」 ちょうど昼飯を食べていなかったこともあり小見はお駒の誘いに軽く頷いた。するとお駒は嬉しそうな顔でなかば強引に小見の腕をつかんで店に招き入れた。 「はーい、一名様だよ」 すると店内に威勢のいい女の声が響いた。 「いらっしゃいませ」 引っ張り込まれるようにして店に入った小見が店内を見渡すと見事に閑古鳥が鳴いていた。 「そこの広いところを使ってくれていいよ」 お駒にそう言われると小見は店の奥にある七、八人が座れそうな卓のところに腰を掛けた。程なくしてお駒がお茶を運んできた。 「定食でいいよね」 小見は黙って頷いた。 お駒は小見の注文を厨房に通すと小見の横に腰を掛けた。さすがに小見は少し驚いた様子だった。するとお駒は小見に顔を近づけじろじろと覗き込みながら言った。
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