セックス人事 第一話

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グレードとは給与体系などの基礎となる社内身分である。局長、部長、部次長といったライン役職とは、別に設定されている。10年目までは年次に応じた身分G1~10だが、10年目以降は評価により差がつく。入社18年目の俺や広川の同期は、G20~G16に散らばっているが、管理職級の給与であるG20が3分の1はいる。おれや広川は G19。管理職目前ということである。 「G19のままだ。」 「・・・・やはり、あの件が原因での異動でしょうか・・あれについては、私にも言い分があるのですが。。」 「私からは何とも言えない。しかし、あの子が人事に駆け込んだのは事実だから、何らかの影響はあるだろうな。だけど、その件はこれから続くぞ。俺も人事に呼び出されているし、相手は弁護士立てると言ってるらしいからな。 お前ところで、本当に一線越えたのか?大事なポイントだぞ。」 広川はうなだれたまま、顔を上げることが出来なかった。 広告局にいる俺は、10時からの定例の内示により、人事異動はなかったが、グレードは G20になった。管理職へ昇格である。早い方ではないが、遅い方でもない。一部上場のテレビ局で管理職になったのだから、サラリーマンとしては成功と言えるだろう。 LINEが来た。美雪からだ。
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