セックス人事 第一話

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セックス人事 第一話

人事異動。サラリーマンにとっては己の人生を左右しかねない最重要事項である。 そして、そのほとんどは、「お前の将来のため」「新しい事業に必要なんだ」といった欺瞞に満ちた美辞麗句で塗り固められた上っ面とその裏に渦巻く、嫉妬や復讐、下半身スキャンダルに基づいて決定されるのである。 2月28日金曜日午前8時。同期の広川は国際局長室へと呼ばれた。 「これから、君に内示をする。4月1日付の定期人事だ。」 「お前の、情報収集力と、持ち前の行動力を活かしてほしい。」 「社史編纂室だ。」 「え・・・・・・」 何かあるとは予想していたが、社史編纂室とは。。広川は凍りついた顔を隠せなかった。 「室長は、寺林さんだ。魅力ある社史を創りたいとのことだ。10時になったら、一斉に内示が始まって騒がしいから、午後にでも挨拶しといたほうがいい。俺からは以上だ。」 「は、はい。あの、グレードについては・・」
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