第1話

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立っていたのは タカシだった タカシは私の(今朝までの)彼氏 サラサラとした黒髪に 黒縁眼鏡をかけ グレーのスーツを カッチリと着こなす その姿は 2ヶ月前に出会った姿と あまり代わりはない それとは対照的に 寝癖がひどく 12年間着ているジャージを 身にまとい 干物女と化している私の姿 「っタ……タカシ!! どうしたの こんなに朝早く!」 5年付き合っていたとはいえ さすがにタカシの前では ここまで干物女と化している姿は まだ見せたことがなかった 私は恥ずかしさで 怒りなんて吹き飛んで 動揺していた
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