第1話

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「別れよう じゃ、俺 これからロンドンに発つから 元気で」 そう言って タカシは 私の次の言葉も待たないまま 大きなキャリーバックを持って 階段を降りていく 一瞬 時が止まっていた私は ハッと意識を取り戻し タカシの後を追う 「………っちょ! ちょっと待ってよ! どういうこと?!」 タカシの腕を掴み タカシの足を止める しかし タカシは振り向いてくれない 「いきなり何なの? 電話やメールじゃ そんな風じゃなかったじゃない? ロンドンに出張も聞いてないよ!」
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