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「その声は!?」
「そうさ!あたいだ!」
事務所の扉が勢い良く開けられ、声の主が現れる。
赤いツインテールの髪と大きな胸がぽよんと揺れ、肩にフェレットを乗せた目つきの鋭い少女が場を仕切る。
「ちっ…無駄肉が現れたようね…」
「誰が無駄肉だ。あたいは理緒だ
!フェレット。りったんを起こすぞ!アシストモード。」
「きゅー!!!」
フェレットが風のレリーフに大きなダイヤのワンドに変わり、理緒の手に握られた。
「エアーリフレッシュ!!」
理緒の魔法で唯一の浄化魔法。
事務所を新鮮で清潔な空気に変えていく。
「セナ!りったんの腰痛を…て…バロンか…」
どうやら、セナの魔法でりったんの腰痛を治し、夢希の魔法でバロンを治すつもりだったようだ。
しかし…バロンもりったんも戦闘不能状態であり、その作戦は使えない。
「万策尽きた様ですね…
やはり、鍋に…」
夢佐は大きな土鍋を倉庫から持ち出すとガスコンロの上に乗せ、火を付ける。
「りったん食べたら駄目ー!!」
「バロンを食べてみろ!それこそ良い出汁が出て…極上の鍋が……うん…夢佐に一票…」
セナのバロンを見る目が変わる。
あの目は旨そうな食材を目の前にした目だ。
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