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「はあ?せっかくの休みなのになんで俺が……だいたいお前だって、休みの日には出かけたりして家事なんてしてねえだろ」 「そうよ。あたしは友達との約束があるからしょうがないでしょ。いいじゃない、あんたの休みはどうせ家なんだから」 そのいわれように、俺は当然ムッとした。 誰が好き好んで家にいるか――。 そんな言葉が喉元を通りかけたが、疲れのせいもありそれ以上進撃することはなかった。 それに彼女のいうことは事実だった。事実を指摘されて激昂することほど、恰好の悪いことはない。 それに放っておけば、千里はどうせすぐに仕事に出かけるのだ。そうなれば休日前の夜をひとり楽しめる。 俺が無言でいると、はーあ、と千里は大きなため息をついた。 「黙るんだ」 嫌味な言葉だ。 「疲れてるからな」 俺は返答した。 「ふうん。それならあたしだってそうよ。働いてるんだから、お互いさまじゃない」 千里の意見は正しかった。それを肯定する自分と、否定しようとする自分がいて、にわかに葛藤を開始した。
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