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そこで急に俺は目覚めた。 ぼんやりと寝ぼけているわけではない、はっきりとした覚醒だった。 夢を見ていたということは、薄々感じ取れていた。 雑に閉めているカーテンの隙間から、一筋の光の帯が見える。 一瞬考えてから、今日が休日だということを思い出した。まったく、休みの日だというのに悪い目覚めだった。 時計を確認すると、午前十一時を少し過ぎたところだった。 ずいぶんと時間を無駄にしてしまったような気がしたが、仮に起きていたとしても、ぼうっと無駄な時間を過ごしていたのだろう。 最近はそんなことばかりだ。この休日の意義とは、いったいなんだろうと、この頃俺はよく考えてしまう。 ゆっくりと身体を起こし、聴覚に神経を集中させた。 隣の部屋からは物音がないし、気配も感じなかった。千里はどうやらまだ帰っていないようだ。 夜勤にしては帰りが遅いな、という感想を俺は持った。 普段は遊び好きな千里だが、夜勤明けだけは、帰りしだい即座に睡眠を始めるというのが彼女の通常だった。 仕事終わりのままで遊びに出かけたのだろうか。 でも、それなら誰とどこへ? 職場の同僚か? すると不意に、さっきまで見ていた夢の内容が思い出された。
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