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例えば、競馬のような勝敗に関わる賭け事の結果を、事前に判明させることができるのだ。
割れながら、あくどいことを思いついたな、と俺はひとりほくそ笑んでいた。
やがて、俺はゲームセンターに入った。地下一階のコインゲームフロアで気分よくお金をはたく。
もしもさっきの推理が正しかったなら、競馬で大儲けして、こんなコインゲームなど今度いくらでもできるようになる。
仕事をやめたとしても生きていけるかもしれない。
俺はさらに考えた。ボタンの回数制限は五回だ。一度は実験のために使うとしても、残りはまだ四回ある。
賭け事で四回大穴を突くことができれば、あらかたまとまったお金になるだろう。
俺の決意は固まりつつあった。
コインゲームでの当たりはこなかったが、今後くる自分の人生を想像して、俺は心をはずませていた。
コインゲームをやめた俺は、一階に上がった。
このゲームセンターは四階建てで、さっきいた地下はコインゲーム、一階はクレーンゲーム、二階はプリクラ、そして三、四階はその他のゲームとフロアが分けられている。
クレーンゲームには興味がなかったが、俺はふと、フロアの片隅にある非常階段に座っている三人組の女子高生に目がいった。
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