11/21
前へ
/85ページ
次へ
三人とも制服姿で、太股の大半があらわになってしまうくらいのミニスカートだった。 都会の女子高生は総じてスカートの丈が短いと知ったのも、この土地に越してきてからだ。 男の俺としては、害などまったくないのだが。 しかし残念なことに、俺が立っているのは彼女たちの真横だった。 正面側にいたならば、間違いなく彼女らの下着を拝めていたに違いない――そんなくだらない妄想をした。 しかも正面側にはクレーンゲームの機械が多数配置されていて、姿を隠すには絶好だった。 このゲームセンターは通常、ニ台あるエレベーターを利用する客がほとんどであるため、この非常階段を使う人間は稀なのだ。 ゆえに人影があることも稀だ。 そんな場所に女子高生が――二度とないシチュエーションだな、と俺は思った。 何の気なく、俺はその非常階段を見上げた。間隔が広く、目張りもまったくされていない古い手摺りが目についた。 もし彼女たちがあの階段を登るなら――怪しい考えは次から次へと頭に浮かんでくる。 階段は、フロアの隅でL字を描くように作られている。 後ろから尾行するのはかなり怪しい行動だが、手摺りの真下は自販機の横のスペースであるため、さほど違和感はないのだ。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加