第1話

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ゼウス様から目を離せないでいると、静かにゼウス様が笑った。 うへー、こりゃビッチどもが増えるわけだわ。 ノーマルの俺ですら引き込まれそうになったよ。あぶねぇ。 「ゼウス様、こちらが今日から新しく入るミカエルです」 「お、お初にお目にかかります。ミカエルと申します。ゼウス様に、誠心誠意お仕え致します」 聞いたかみんな。この教科書のような俺の素晴らしい受け答え。面接もこれで乗りきった。 面白味も何もねぇだろ。知ってる。 そしてさっきと同じように似非笑顔もつけてやりゃ、真面目ちゃんのいっちょあがり。 隣を目だけで見てみれば、なんともまぁ、ガブリエル様の嬉しそうなこと。 今まで来た奴、どんだけ酷かったんだよ。逆に見てみたいわ。 「つまんねー奴が来たな」 「ゼウス様!」 「まーまー、そう目くじら立てんなよ」 ゼウス俺様ktkr―――!! 嬉しすぎて思わず様取れちゃったよ。いけないけない。 なんですか。ゼウス×ガブリエルのフラグですか。yahoo! 上司に逆らえない系ですか。けしからん。もっとやれください。 俺これニヤけてない。大丈夫? 思った以上においしい職業だったぞ。天使。 「ミカエル君。気にしないでくださいね」 「・・・大丈夫です」 ますます仕事へのやる気が出てきました。 ガブリエル様、俺頑張ります! すぐにでも大天使への階段を駆け上ります! でもオリンポスと同じぐらいの階段は勘弁してください。 「ミカエル。ちょっとこっちに来い」 げ。ゼウス様からおいでおいでされてる。 それって近くに来いってことですか。 え、拒否権無い感じですか。マジですか。 「俺を待たせんな」 ですよねー。知ってます。でも行きたくないなー。 俺じゃなくてガブリエル様呼んでくんないかなー。 でも、せっかくの資格を手放すわけにはいかないから行くけどさ。 近くで見れば見るほど、ゼウス様の美しい顔がはっきり見えて、俺の自尊心ボロボロです。 ガブリエル様はゼウス様に逆らえない感じだし。今の状況を止めてくれる者はいない。 「ふーん。まあまあだな」 うるせー。みんながみんな、お前のような顔を持っていたら、それはそれで怖いわい。 あ、お前とか言っちゃった。でもしょうがないよね。 てか、顔近いです。もう少し距離を置いて話していただけると、こっちとしても気分が楽なんですが。
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