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ゼウス様から目を離せないでいると、静かにゼウス様が笑った。
うへー、こりゃビッチどもが増えるわけだわ。
ノーマルの俺ですら引き込まれそうになったよ。あぶねぇ。
「ゼウス様、こちらが今日から新しく入るミカエルです」
「お、お初にお目にかかります。ミカエルと申します。ゼウス様に、誠心誠意お仕え致します」
聞いたかみんな。この教科書のような俺の素晴らしい受け答え。面接もこれで乗りきった。
面白味も何もねぇだろ。知ってる。
そしてさっきと同じように似非笑顔もつけてやりゃ、真面目ちゃんのいっちょあがり。
隣を目だけで見てみれば、なんともまぁ、ガブリエル様の嬉しそうなこと。
今まで来た奴、どんだけ酷かったんだよ。逆に見てみたいわ。
「つまんねー奴が来たな」
「ゼウス様!」
「まーまー、そう目くじら立てんなよ」
ゼウス俺様ktkr―――!!
嬉しすぎて思わず様取れちゃったよ。いけないけない。
なんですか。ゼウス×ガブリエルのフラグですか。yahoo!
上司に逆らえない系ですか。けしからん。もっとやれください。
俺これニヤけてない。大丈夫? 思った以上においしい職業だったぞ。天使。
「ミカエル君。気にしないでくださいね」
「・・・大丈夫です」
ますます仕事へのやる気が出てきました。
ガブリエル様、俺頑張ります!
すぐにでも大天使への階段を駆け上ります!
でもオリンポスと同じぐらいの階段は勘弁してください。
「ミカエル。ちょっとこっちに来い」
げ。ゼウス様からおいでおいでされてる。
それって近くに来いってことですか。
え、拒否権無い感じですか。マジですか。
「俺を待たせんな」
ですよねー。知ってます。でも行きたくないなー。
俺じゃなくてガブリエル様呼んでくんないかなー。
でも、せっかくの資格を手放すわけにはいかないから行くけどさ。
近くで見れば見るほど、ゼウス様の美しい顔がはっきり見えて、俺の自尊心ボロボロです。
ガブリエル様はゼウス様に逆らえない感じだし。今の状況を止めてくれる者はいない。
「ふーん。まあまあだな」
うるせー。みんながみんな、お前のような顔を持っていたら、それはそれで怖いわい。
あ、お前とか言っちゃった。でもしょうがないよね。
てか、顔近いです。もう少し距離を置いて話していただけると、こっちとしても気分が楽なんですが。
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