夏休み

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 チリリと、胸を焦がすような痛みが走る。  ばかか、そんなん、あるか。  その辺の女なんかとお前を、一緒にするわけねぇだろ。  素直にそう言えればいいのに。 『ふうん、したらお前、かわりにやってくれんの?』  矢嶋の身体を抱き起こし、濡れた唇に親指を這わせると、固まっていた矢嶋の身体がビクリと震えた。 『なあ、この口、使ってさ』  オイルにまみれて、ヌルヌルの裸と、フローリング。  水音を立てながら、慣れない動きで必死に口と手を動かす矢嶋を上から眺めながら、両手を矢嶋の柔らかい髪に絡めた。 『矢嶋、もっと舌使えって』 『んっ……ん、んぅ!』  後頭部を押さえつけて手前に引き寄せると、苦しそうに呻き声を漏らす。  その声と姿に、自分でも驚く程に、興奮した。  天井を向き揺れる白い尻に片手をのばし、オイルで濡れた指先で蕾の周りに円を描くと、矢嶋は声を上げて身体をよじった。 『やだ、みずっ……んんっ』  こっちに集中しろよと離れた矢嶋の口に再び自分の屹立を押し込むと、その反動で根元深くまで咥えこまれ、俺も思わず声を漏らした。 『矢嶋、すげえ、いい』  見上げた矢嶋の潤んだ瞳から色香が溢れ、見たこともないその表情に見とれたとき、耐え切れない程の快感が押し寄せてきた。 『やべぇ、矢嶋、いくっ……』  声を殺して白濁を放った後、咳き込む矢嶋の背中をさすりながら流石にやりすぎたと反省し、吐き出すようにとティッシュを引き寄せてから気付く。 『矢嶋、お前……飲んだの?』  からっぽの口で咳き込みながら、矢嶋は小さく頷いた。 『水城が、気持ちよくなったの……俺で、だから』  わけのわからねぇ理由をもごもご言ってる口を塞ぎ、口内を嘗め尽くすように舌を絡めた。  歯列をなぞり、唇も口角までしゃぶるように啄ばむと、矢嶋は何度も吐息を漏らした。  こみ上げてくる気持ちが愛おしさなのか、快楽への喜びなのか、わからないまま。  俺は矢嶋に、キスを繰り返した。
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