第30話

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「……炎上か。 復讐したい相手は、それぞれ抱えているけれど、どこか――間違っているのかも知れないと、良心を残している人間もいるってことだ。 ウイルスキラーという男は、ほんの少しも善意を持ち合わせていないんだろうか――」 膝の上で、両手を力強くぎゅっと組んだ。 ――俺は今まで神なんて信じたことはないけれど、今は信用してやるよ!!!!  願いを今まで一度も叶えてくれなかっただろう? 俺の一生分の願いで手術を必ず成功させてくれ! 生き返れ! 戻ってこい秋雄!!!! もう一度力を込めて握り締めると、涙の雫が、そこにポタリと一粒落ちた。 「……信介。気持ちは分かるけど、上位にいる人間は、それぞれ強い目的があると思う」 「あいつの信念は、怨みを晴らし金を手に入れる……説得するより阻止したほうが早い――きっとね」
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