第30話

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「……大丈夫かしら、お姉さん。今の状態でこれだったら、もしもの時――」 「み、霙! それ以上は言うな! 今は祈るしかないんだよ!」 「……ごめんなさい」 霙は隣へ座り、シュンっと落ち込み俯いた。そして、またスマートフォンを指先で操作している。 「やつの得意技はウイルスかぁ……生憎だがそんな知識は持ち合わせてない――」 「やつ対応のウイルスソフトでもあればいいのにね」 「……ははは、笑える」 俺たちは暗く笑い、それからは無言で、休みなくずっと祈りを捧げていた。
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