第30話

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「……戦う? そうだ! 絵恋さんは!?」 「ご両親たちに、お兄さんの怪我を報告しに行ったみたい……はい、これは差し入れ。手術は時間が掛かるだろうから――」 ブレザーの女は、コンビニ袋を椅子の上に置いた。 「さすがに手術中は狙われないと思う。それにしても……嫌な男に目を付けられちゃったね」 セーラー服の女は目の前でしゃがみ、顔を覗き込んだ。 瞳は潤んでいるけれど、力強い視線。 目力だけで、しっかりしなさいと叱り付けているみたいだった。
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