はじまり

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俺の言葉に…グラスを指でなぞっていた鈴川の指が止まる。 「一緒…ですか?」 頭をこちらに向けて傾げてきた。 「そ。だから、その前にもう少し親密になっておかないとね」 戯ける様に鈴川に微笑む。 すると、そのキリッとした瞳が一瞬だけ揺らいだ気がした。 「あー…そう言えば、まだお互いに詳しい事知らないですよね」 俺の思惑に気付いたのかそうでないのかは知らないが、顔を背けた鈴川。 「そこだよね。何処までアリにする?」 「…何処まで…って?」 「設定、詳しく決めないと。プライベートでも会う様にしていかないと欺けないでしょ?」 「確かに…」 そこまで言うと、顎に手をやって考え込んだ。 まぁ、設定も決めなきゃいけないのは確かだけれど…問題は見合い相手を納得させられるかなんだけどね。 上手く行くかどうかも重要だけど、諦めてくれさえすれば問題無い。 最悪、少し強引な手になるかもしれないけどね。
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