作戦

7/8

1534人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
「はぁ…はぁ…」 公園から暫く走って。 見えなくなった所で足を止めた。 「ひ…聖さん、いきなり走り過ぎ…」 肩で息をしている里沙が俺を見上げる。 「あ、ゴメンね?ヒールだと走り難かったよね」 敢えて体力云々でなく、ヒールのせいにしておく。 「そ、そうね」 俺の嫌味に気付いたのかヒクつく顔で笑う里沙。 「ははっ、少し休む?」 「それより、こんな事して良いの?もっと上手い切り抜け方も出来たでしょう?」 心配そうに俺を気遣ってくる。 それに笑みが零れる。 「バカ息子で良いんだよ。 その方が幻滅するでしょ」 「確かに…そうだけど。でも、今後の取引に影響とか…」 「あぁ、それは無いんじゃない?こんな事で取引に影響出したら向こうが恥をかくだけだし」 「そう…かな」 「そんなもんでしょ」 だからこそお互いの相手を一緒にしたのだから。 「そのうち向こうから断りを入れてくる筈だよ」
/123ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1534人が本棚に入れています
本棚に追加