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「はぁ…はぁ…」
公園から暫く走って。
見えなくなった所で足を止めた。
「ひ…聖さん、いきなり走り過ぎ…」
肩で息をしている里沙が俺を見上げる。
「あ、ゴメンね?ヒールだと走り難かったよね」
敢えて体力云々でなく、ヒールのせいにしておく。
「そ、そうね」
俺の嫌味に気付いたのかヒクつく顔で笑う里沙。
「ははっ、少し休む?」
「それより、こんな事して良いの?もっと上手い切り抜け方も出来たでしょう?」
心配そうに俺を気遣ってくる。
それに笑みが零れる。
「バカ息子で良いんだよ。
その方が幻滅するでしょ」
「確かに…そうだけど。でも、今後の取引に影響とか…」
「あぁ、それは無いんじゃない?こんな事で取引に影響出したら向こうが恥をかくだけだし」
「そう…かな」
「そんなもんでしょ」
だからこそお互いの相手を一緒にしたのだから。
「そのうち向こうから断りを入れてくる筈だよ」
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