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「聖、あなたどう云う事ですの?」
母親の疑う様な声が俺達を刺す。
自宅のリビングで両親と対面する形で座る俺と里沙。
「今まで黙ってて悪かったよ。でも、そっちもいきなり嵌めるからでしょ?」
「嵌めるだなんて人聞きが悪いな。これもお前の為にと思っての事なんだぞ」
『俺の為じゃなくて、会社の為でしょって』
口から飛び出そうな言葉を飲み込む。
「色々と考えてくれてたのに申し訳ないけど、俺には里沙以外は考えられないからね」
隣で柔かに微笑んでいる里沙へと顔を向ける。
里沙も俺を見て頷く。
「聖…鈴川さんみたいに素敵なお嬢様がいらっしゃるなら何故先に言ってくれなかったの?」
「そうだ。それに、直属の部下で仕事に支障は無いだろうな?もしあれば、周りにも示しがつかんだろうが」
「言わなかったのはそう言われるだろうと思ったからだよ。それに、今まで何事も無く上手くやってきたから誰にも気付かれなかったんでしょって」
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