1534人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
「まぁそうかもしれんが…兎に角、先方から断りを入れてくれて良かった」
「そうだね」
親には先日の事や、里沙も見合いをしていたとは伝えていない。
あちらも親には言わなかったと云う事だろう。
大方、相手が居るから…と、伝えたのかもしれない。
「それじゃ、年末年始のパートナーは里沙さんで大丈夫だな」
「…あぁ、そうだね」
正直パーティは飽きてきている。
親族の仮面を被った上辺だけの付き合い…
値踏みし合う人々の好奇の目に晒されて。外面良く腹の探り合いは嫌いじゃないが同じ相手だと飽きてくる。
が、そうも言ってられないのが現実で。
会社の系列や、贔屓にしてくれてる社との新年会などもある訳で。
そこから仕事に繋がる事もあるのだから。
面倒臭いとか言ってられない。
…面倒だと心底思ってるけど。
俺よりも適任者がいるのにね。
「里沙さんのご両親にはお会いしたのか?」
「いや、まだだよ。近々会いに行こうとは思ってる」
「そうか。里沙さんとの将来を考えているなら早く行くと良い」
「そうするよ」
里沙との事で反対される事無く済んだ。
最初のコメントを投稿しよう!