1534人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
翌週末、里沙の両親に挨拶する為里沙と待ち合わせ。
その場所へと車を走らせる。
手土産は里沙の父親が好きだという地酒。あまり出回っていなく、見つけるのに苦労した。
俺も酒は好きだけど、まだ飲んだ事がない銘柄だった。
どんな風味や味の広がりをみせてくれるのだろうと気になる。
けれど、やっと手に入った一本を呑む訳にもいかず。
次に見つけたら買って呑んでみようと思っている。
里沙の母親への手土産は、里沙と合流して買いに行く事にした。
事前の打ち合わせも兼ねてだけどね。
「お待たせ」
「待ってないよ。私も来た所だし」
待ち合わせ場所には既に里沙は来ていて。俺が声をかけると声を弾ませる事無く答えた。
「里沙、そこはフツー笑顔で待ってないよ?ってゆー処じゃないの?」
「そう?でも私、そんな器用な事出来ないから」
バッサリ会話を斬り捨ててくる。
まぁ、必要以上に作られても嫌なんだけどね。
仮にもデートなんだから…
もっとこう、何かないの?
「あ、聖さん、私に恋人役は求めても、可愛らしさは求めないでね?ムリだから」
「…知ってる」
最初のコメントを投稿しよう!