進行

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先に里沙が入り、両親が揃ってるのを確認してから俺をリビングへと通してくれた。 「聖さん来たよ」 リビングへのソファーに座っている父親と母親に声を掛けた里沙。 「初めまして。私、里沙さんとお付き合いさせて頂いてます、山中 聖と申します」 母親が笑顔で出迎えてくれたので、頭を下げた。 「こちら好きだとお伺いしましたので、宜しかったら召し上がって下さい」 「あら、お父さんの好きなお酒。私の好きなケーキまで…ごめんなさいね気を遣ってくれて。有難く頂くわ」 柔かに微笑んでくれた。 その笑った顔が何処か里沙に似ている気がした。 「お茶いれるわね」 「ありがとうございます」 母親がパタパタとキッチンへ行く。 「ねぇ、お父さん、聖さん来てるんだけど?」 俯き加減で新聞を読んでいる父親に、里沙が抗議する。 それでも新聞から目を逸らさない父親。 「まだ拗ねてんの?」 「…ンンッ、拗ねてなどいない」 咳払いをし、ボソリと呟いた。 「じゃ、ちゃんと見てよ。子供じゃないんだから」 「分かってる」 仕方なさそうに新聞を折り畳むと顔を上げた。
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