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まさか、こんな昼間からショットをする事になるとは…
「里沙は1番良く出掛けて遊んだんだ。俺の自慢だ」
里沙と父親の思い出を肴に。
数杯目のグラスを傾け、喉を通っていくイェーガー。
もう、何杯目だろうか。
結構呑んでいる事は解るが。
思考が鈍ってくる。
「中々…やるな」
ハンと、グラスを持ったまま息を吐く里沙の父親もけっこうきているようだ。
「いえ…まだまだ、です」
それより、この親父強いし。
俺、限界近いかも…?
「あらまぁ、珍しいわね?お父さんとここまで呑めるだなんて」
呑気な母親の声。
「聖さん、無理しないで?」
心配そうに覗く里沙。
「う…ん。大丈夫」
「冷たいお絞り持ってくるね」
「そうね。お父さんにも持ってきましょうか」
里沙と母親が席を外すと、父親が身を乗り出して来た。
「お前は里沙の何処に惚れた」
真剣な目で見つめてくる。
それに少々の後ろめたさを感じながらも。
「里沙さんの気取らない性格と、人の内面をちゃんと見てくれる所ですね」
そう言うと目を細めた父親。
「そうだろう?」
得意気に微笑んだ。
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